引っ越しの初期費用は家賃の何か月分?賃貸契約でかかる費用の内訳

引っ越しの初期費用は家賃の何か月分?賃貸契約でかかる費用の内訳

引っ越しの初期費用は家賃の何か月分?賃貸契約でかかる費用の内訳

賃貸マンションの外観

引っ越し先が決まっても、「初期費用はいくら用意すればいいの?」と不安になる人は多いはずです。賃貸の初期費用は、敷金、礼金、仲介手数料、前家賃など、項目が多く、家賃の数か月分にもなります。見積もりの数字だけを見ても、何にいくら払うのかが分かりにくいのが悩みどころです。

この記事では、賃貸契約でかかる初期費用の目安と内訳を、敷金・礼金・仲介手数料・日割り家賃に分けて整理します。国土交通省、国民生活センター、不動産適正取引推進機構などの公式情報をもとに書きました。引っ越し業者に払う費用は、一人暮らしの引っ越し費用相場の記事にまとめています。

引っ越しの初期費用は家賃の何か月分?

国土交通省の「住まリテ」は、賃貸の場合、地域差はあるものの、家賃の5〜7か月分の費用を用意しておくと安心だと案内しています。たとえば家賃が6万円なら、30万円から42万円が目安です。ここでいう初期費用は、賃貸契約を結ぶときに不動産会社や貸主へ払うお金のことで、引っ越し業者への支払いや家具・家電の購入費は含みません。

金額に幅があるのは、敷金や礼金の月数が物件ごとに違うからです。同じ家賃でも、敷金・礼金がない物件と、合わせて3か月分かかる物件では、初期費用が大きく変わります。まずは、気になる物件の募集図面で、敷金・礼金・仲介手数料の欄を見比べましょう。

引っ越しの初期費用の内訳

賃貸契約でかかる主な費用は、次のとおりです。契約の内容は、物件によって違います。

項目どんなお金かルールや目安
敷金家賃の滞納や原状回復の費用に備えて、貸主に預けるお金退去時に、差し引くものがなければ全額が戻る
礼金貸主へのお礼として払うお金通常は戻らない。賃料の1〜2か月が多いとされる
仲介手数料不動産会社に払う成功報酬上限は賃料1か月分+消費税(賃料の1.1か月分)
前家賃・日割り家賃入居前に先に払う家賃。入居日が月の途中なら、日割りの家賃が加わる標準契約書では、1か月に満たない期間は1か月を30日として日割り計算
保険料など物件ごとに決まる費用契約書や重要事項説明書で、項目を一つずつ確認する

※2026年10月30日時点の公的機関の案内をもとにしています。不動産適正取引推進機構の手引も、契約時に必要な費用として、敷金、礼金、共益費(管理費)、保険料、媒介報酬(手数料)を挙げています。

敷金は退去時に戻る?

国民生活センターは、敷金を、借主の賃料滞納や原状回復費用などに充てるため、前もって貸主に渡すお金と説明しています。通常、原状回復にかかる費用は、この敷金から差し引かれます。賃料の滞納がなく、原状回復の必要もなければ、全額が借主に戻ります。ただし、敷金の一部が戻らない「敷引特約」が付いている物件もあるため、契約書で確かめておきましょう。

退去時に何が借主の負担になるかは、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に、考え方が示されています。年月の経過による損耗や、普通に暮らしていてもできる汚れやキズの修繕費用は、借主が負担する必要はないと考えられます。納得できない請求を受けたときは、貸主側に費用の明細を求めて、話し合いましょう(国民生活センターの案内)。

礼金は戻らないお金

礼金は、貸主へのお礼として払うお金で、敷金と違って返ってきません。国民生活センターも、通常は返還されないと説明しています。不動産適正取引推進機構の手引によると、礼金の額は、賃料の1〜2か月分が多いようです。礼金が高い物件を避けたいときは、礼金なしの物件を探す方法があります。

仲介手数料の上限は家賃の1.1か月分

仲介手数料は、不動産会社を通して契約したときに払う成功報酬です。上限は、宅地建物取引業法にもとづく国土交通大臣の告示で決まっています。国土交通省の相談対応事例集によると、居住用の建物の場合、不動産会社が貸主と借主のそれぞれから受け取れるのは、賃料の0.55か月分以内です。依頼者の承諾があれば、合計が賃料の1.1か月分を超えない範囲で、一方から多く受け取ることもできます。消費税を含めた上限は、賃料1か月分に消費税10%を足した、賃料の1.1か月分です。

家賃が6万円なら、借主が1か月分を負担する場合の上限は、6万円×1.1で6万6,000円です。国土交通省のページは、トラブルを防ぐために、仲介を頼むとき(媒介契約を結ぶとき)に、上限の範囲内で金額をあらかじめ合意しておくことが重要だと案内しています。請求額が上限を超えていないか、見積もりの段階で確かめましょう。

前家賃と日割り家賃

入居前に払う家賃も、初期費用に入ります。国民生活センターの相談事例にも、仲介手数料や前家賃などの初期費用を払った、という内容が出てきます。入居日が月の途中だと、その月の分は日割り計算です。国土交通省の賃貸住宅標準契約書は、1か月に満たない期間の賃料を、1か月を30日として日割り計算すると定めています。入居日が月の途中だと、日割りの家賃がかかる点を覚えておきましょう。

引っ越しの初期費用を抑える方法

抑えるなら、物件選びの段階が効果的です。敷金・礼金なしの物件は、初期費用を軽くできます。ただし、国民生活センターは、いわゆる「ゼロゼロ物件」には、敷金がないぶん、退去時に原状回復費用が敷金から引かれずに、そのまま請求される点に注意が必要だと呼びかけています。初期費用が安くても、退去時の負担が重くなる場合があるため、契約書で原状回復の特約を確認しましょう。

もう一つは、契約前に内訳を確認することです。国民生活センターの相談事例には、契約書に修理費はすべて借主負担と書かれていた、という相談があります。東京都のガイドラインも、特約はトラブルの原因になりやすく、説明を聞いて納得したうえで契約するよう勧めています。リフォーム代などの名目で契約時に払うお金は、敷金と違って、原則として退去時に返ってきません(東京都のガイドライン)。東京都の賃貸住宅トラブル防止ガイドラインは、一般の人にも読みやすい資料です。

引っ越しの初期費用の流れとまとめ

ここまでの内容を、確認する順に並べます。

  1. 家賃を決めたら、その5〜7か月分を目安に、用意するお金を計算する
  2. 気になる物件の募集図面で、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃の項目と月数を見比べる
  3. 仲介手数料が家賃の1.1か月分以内か、媒介契約の段階で合意した金額かを確かめる
  4. 契約前に、原状回復や敷引などの特約を、契約書と重要事項説明書で確認する
  5. 引っ越し業者の費用や、家具・家電の購入費は、別に予算を取る

引っ越し業者の料金は一人暮らしの引っ越し費用相場に、手続きの全体の順番は一人暮らしの引っ越しやることリストにまとめています。水道、電気、ガスの手続きは、引っ越しの水道手続きの記事から順に確認できます。

まずは、気になる物件の募集図面を開いて、敷金・礼金・仲介手数料が家賃の何か月分かを書き出すところから始めてみてください。

あわせて、電気とガスの引っ越し手続きの記事も参考にしてください。

あわせて、引っ越し後の車庫証明の記事も参考にしてください。

退去のときの立ち会いや敷金の精算については、退去の立ち会いの記事で公的資料の内容を整理しています。

引っ越し費用の時期による違いは、引っ越しが安い時期の記事で、国や引越し会社の公式ページの内容を整理しています。

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