引っ越しの住民票の移し方は?転出届と転入届の違いも解説

引っ越しが決まると、「住民票はいつ、どこで移せばいいの?」と迷う人は多いはずです。住民票の手続きは、同じ市区町村の中で引っ越すのか、別の市区町村へ引っ越すのかで、出す届けが変わります。しかも届け出には期限があり、遅れると5万円以下の過料の対象になることもあります。
この記事では、転出届・転入届・転居届の違いから、届け出の期限、出し方、持ち物、マイナンバーカードを使った手続き、代理人が行う場合までを順番に整理します。受付方法や時間は自治体ごとに違うため、相模原市、中央区、文京区、川崎市などの公式ページで確認できた内容をもとに書きました。読み終えたら、自分が出す届けと、動き出す日が決まります。
引っ越しの住民票手続きは転出届・転入届・転居届のどれ?
住民票を移す届けは3種類あり、どれを出すかは、引っ越し先が同じ市区町村かどうかで決まります。同じ市区町村の中で引っ越すなら、出す届けは転居届の1つです。別の市区町村へ引っ越すなら、いま住んでいる市区町村の役所に転出届を出して転出証明書を受け取り、引っ越し先の役所で転出証明書を添えて転入届を出します。この流れは、北上市の案内にも図で示されています。
| 引っ越しのパターン | 出す届け | 出す場所 | 出す時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 同じ市区町村内で引っ越す | 転居届 | 住んでいる市区町村の役所 | 引っ越した日から14日以内 |
| 別の市区町村へ引っ越す(旧居側) | 転出届 | 引っ越し前の市区町村の役所 | 引っ越す前から(相模原市は14日前から) |
| 別の市区町村へ引っ越す(新居側) | 転入届 | 引っ越し先の市区町村の役所 | 引っ越した日から14日以内 |
※受付できる期間は自治体によって違います。2026年10月30日時点の各自治体の案内をもとにしています。
住民票を移す期限は引っ越しの何日後まで?
転入届と転居届は、引っ越した日から14日以内に出します。相模原市は、転出届を出したうえで、引っ越し後14日以内に新しい住所地で転入届を出すよう案内しています。転出届は引っ越す前から出せるので、引っ越し日が決まったら早めに動くほうが楽です。相模原市では、引っ越しの14日前から届け出ができます。
オンラインの転出届は、受付期間がもう少し長い自治体もあります。中央区と文京区は、マイナポータルからの転出届を、引っ越し予定日の30日前から、引っ越した日から10日以内まで受け付けています。期間を過ぎたら、窓口か郵送で手続きします。数字は自治体ごとに違うため、旧居の自治体のページで期間を確かめてください。
転出届の出し方は窓口・郵送・マイナポータルの3つ
別の市区町村へ引っ越すときの転出届は、窓口、郵送、マイナポータルのどれかで出せます。相模原市の案内をもとに、窓口と郵送のやり方を見ていきます。
窓口で出すときは、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類を持っていきます。相模原市の場合、国民健康保険に入っている人は保険の資格確認書も必要で、こども医療証や介護保険証など、返却するものがある人はそれも持参します。受付時間は平日の8時30分から17時で、第2・第4土曜は区民課が8時30分から正午まで開いています。
郵送なら、転出届の用紙、本人確認書類のコピー、返信用封筒(特例転出に当てはまらない場合)を、住民登録のある区の窓口へ送ります。転出証明書が届くまで1週間から10日ほどかかるため、引っ越し日が近いときは日程に余裕を持ちましょう。転出証明書にはマイナンバーが載るので、簡易書留か特定記録郵便で送るよう案内されています。
転入届の出し方と持っていくもの
転入届は、引っ越し先の役所の窓口で出します。川崎市は、引っ越しが終わっていない状態では届け出できず、郵便などでの届け出もできないと案内しています。相模原市の案内では、転入の手続きに、転出証明書か、特例転出の手続きをしたマイナンバーカードが必要です。このほか、本人確認書類も持っていきます。
役所の窓口は平日の日中が基本です。平日に行けない人は、新居の自治体のページで、休日に開いている窓口があるかを確かめておきましょう。平日に動ける日を早めに決めておくと、期限に間に合わせやすくなります。
同じ市区町村内で引っ越すときの住民票
同じ市区町村の中で引っ越すなら、出す届けは転居届だけです。引っ越した日から14日以内に、住んでいる市区町村の役所に出します。文京区のように、区内の引っ越しでは、転居の予定をオンラインで連絡できて、書類を作る手間が省ける自治体もあります。
マイナンバーカードで住民票を移す特例転出とオンライン手続き
マイナンバーカードを持っていれば、転出届をマイナポータルから出せます。国が進める「引越しワンストップサービス」で、中央区の案内では、転出届の提出と、転入手続きのために来庁する予定の連絡をオンラインで行えます。必要なのは、電子証明書が有効なマイナンバーカードと、カードを読み取れるスマートフォン(またはICカードリーダ)、暗証番号です。
文京区の案内では、この方法で出した転出届には転出証明書が発行されず、転出情報が自治体の間で送られます。申請が処理されて、マイナポータルの状況が「完了」になるのを確かめてから、転入先へ向かいます。21時までの申請は翌開庁日に処理されます。転出の手続きが終わると、印鑑登録は自動的に抹消されます。
ただし、転入届はオンラインでは出せず、引っ越し後に、マイナンバーカードを持って窓口へ行く必要があります。川崎市は、前の住所地で転出届の処理が終わり、その転出情報が川崎市に届いていないと、転入手続きができないと案内しています。
転入が遅れると、マイナンバーカードが失効する場合があります。中央区は、引っ越した日から14日以内、かつ転出予定日から30日以内に転入手続きをしないと、カードが失効すると案内しています。川崎市も、転出予定日から30日が過ぎてから届け出ると失効の対象になるとしています。失効すると、転出元の窓口で転出手続きをやり直すことになります。
代理人が住民票の手続きをするとき
相模原市の転出届は、本人か、同じ住民票に載っている同一世帯員が手続きできます。それ以外の代理人が行くときは、委任状が必要です。マイナポータルでは、同じ世帯の人の分はまとめて申請できますが、世帯が別の人の分は代理で申請できません。世帯が別の家族の手続きは、窓口に必要書類を持って行く形になります。
住民票を移さないとどうなる?
住民票を移す届け出は、住民基本台帳法で決められた手続きです。中央区は、正当な理由がなく転入・転居・転出などの届け出をしないと5万円以下の過料に処される、事実が起きてから14日以内に届け出ないと過料になる場合がある、と案内しています。実際に過料が科されるかどうかは、簡易裁判所の判断です。
困るのは過料だけではありません。川崎市は、届け出の日をさかのぼることはできず、その間は児童手当が受け取れなかったり、選挙人名簿に登録されなかったりすると案内しています。選挙の投票は、原則として住民票のある市区町村です。堺市は、別の市区町村へ引っ越して住民票を移していない場合や、移してから3か月がたっていない場合は、新しい住所地で投票できないとしています。進学や就職で引っ越した人も、原則は、いま住んでいる寮やアパートが住所地です。
引っ越しの住民票手続きの流れとまとめ
ここまでの内容を、手続きの順に並べます。
- 引っ越し日が決まったら、旧居と新居の役所のページを開いて、転出届と転入届の受付方法・期間・窓口の時間を確かめる
- 別の市区町村へ引っ越すなら、転出届を出して転出証明書を受け取る(マイナンバーカードがあれば、マイナポータルで特例転出)
- 引っ越した日から14日以内に、新居の役所で転入届を出す(同じ市区町村内なら転居届)
- 住民票を移したら、国民健康保険やマイナンバーカードの住所など、住所変更の続きに進む
住民票を移したあとの全体の順番は一人暮らしの引っ越しやることリスト、役所や金融機関などの住所変更は引っ越し後の住所変更手続き優先順リストにまとめています。郵便物は郵便物転送サービスの使い方、水道は引っ越しの水道手続きの記事も参考にしてください。
まずは、旧居の市区町村のページを開いて、「転出届はいつから出せるか」を確認するところから始めてみてください。
あわせて、免許証の住所変更とマイナンバーカードの住所変更の記事も参考にしてください。
あわせて、引っ越しの印鑑登録と国民健康保険の引っ越し手続きの記事も参考にしてください。
あわせて、引っ越し後の国民年金の手続きの記事も参考にしてください。
ペットと引っ越す場合は、引っ越しの犬と猫の手続きの記事も参考にしてください。
お子さんが公立の小・中学校に通っている場合は、転校の書類と流れもあわせて確認してください。転出届・転入届のときに、学校に出す書類を受け取る自治体があります。
お子さんがいる場合は、児童手当の手続きもあわせて確認してください。転入先での新規申請は、転出予定日の翌日から15日以内です。